発達障害での「こだわり」は、思考の切り替えや、視点を変えるなどの「心の移動」が出来ない。
私からすると、ネスケのこだわりは
『こだわるのは構わないけど、私を巻き込まないでほしい。』と思うだけです。
巻き込まないなら、いくらでも固執しても構わない(笑)
この『こだわり』は、本人だけではなく周りの人にも押し付けてしまう時が多いので、周りの方は困る事が多いのでは?と、思います。
この記事での『こだわり』は、マイルールに強いこだわりが出るという事です。
今回のコミックエッセイは、ネスケ父の場合として先日起こった事を描きました。
ネスケの『こだわり』からの出来事を描いたものがあるので、お時間がある時などに覗いてみてください。
※この記事の前半は、ネスケ父のこだわり(マイルール)について書いていますが、後半では『こだわり』などについてネスケの場合と、私のしている対処法を詳しく書いています。
こだわりではないけれど「先延ばし」は困る
こだわりとは関係なく
すみません、この時の始まりから描いています。
これは、ネスケの『先延ばし』ですね(笑)
ネスケが、なかなかLINEを送ってくれない為に時間が遅くなっている様子です。
なぜ、ネスケからLINEをするように言ったか?
なぜ、グループLINEに送るように言ったか?
それは、お義父さんがお義母さんに「仕事の帰りにどこにも寄らず、真っすぐ家に帰る。」という事を常日頃言っている為です。
お義母さんは律義にも守っているのがすごいです。
それと、私から送るよりネスケから送った方が角が立たないと思ったからです。
グループLINEに送った理由は、お義母さんもお義父さんも見る事ができるので、お義母さんに送るよりも良い。
お義母さんに送っても、お義母さんからお義父さんに『仕事帰りにネスケの家に寄る。』と言う事が出来ないからです。
この辺りの事はまた違う話になってしまうので、いつか書いてみたいと思います。
とにかくネスケに先延ばしされてしまったために、LINEを送ったのが遅い時間となってしまいました。
そして、この日はネスケも私も早く寝るという話をしていた…。
相手の都合はあまり考えない
自分軸で考える
お義父さんからLINEの返信がありました。
「荷物が届きました今から届けます。」
なぜか、お義父さんはLINEでは敬語になります。
普段は私たちに対して敬語を使うという時はないのですが、LINEになると全て敬語というほどです。
そして、「今から行きます。」という時間が21時過ぎです。
車で30分弱の距離ですが、私達もする事があるし早く寝たい。
夜お義父さんが運転する事も心配です。
LINEを見たネスケはすぐにお義父さんに電話をしました。
先に書いておくと、お義父さんは時間に余裕があるので時間を気にして行動をするという事はあまりありません(笑)
そして、『自分がそうなんだから相手もそうだ。』と考えてしまう傾向があります。
そして、ネスケがお義父さんに電話をしたのですが、ここで『お義父さんあるある』があります。
相手が話をしていようが、自分が話したい事を優先的に話す。
話している途中でも被せて話してきます。
相手の話を聞く。という事よりも、自分が話したい事が優先なんです。
ASDのタイプの中に『尊大型』というものがありますが、この尊大型タイプの方は自己主張が強いという特徴と、強いこだわりというものがあります。
お義父さんは、尊大型タイプの特徴が多く見られますが検査を受ける事はないので、確かではありません。
ただ、ネスケが持っている発達障害の特性の多くがお義父さんにも見られます。
特性は同じだけれど、タイプが違うという感じだと思います。
そして、ネスケが話に被せてお義父さんの第一声は…。
「荷物を届けるなら行くけれど、荷物がいらないなら行かない。」という事でした。
これは、お義父さんのマイルールです。
『わざわざ行くのはダメ。何かのついでなら行く。』というものです。
このマイルールは、お義父さんの中では「こうでなければいけない。」という強い考えがある。
認知の歪みでいうなら「~べき思考」が強いのかな?
そして、この時にも『荷物を届ける』という名目があるならば行くけれど、荷物がないならば行かないと言っています。
マイルールなのか分からないけれど
自分の中の価値観が強い
またまた尊大型の話になりますが、尊大型タイプの方の中には『自分の中の価値観が強い』という事と『強いこだわり』という特徴があるようです。
お義父さんの場合、この時は「持ちに来いという土産はいらん。」という事を何回も言っています。
【ネスケから言わせると】
「そもそも、お父さんには言っていない。お母さんの仕事帰りに寄って欲しい。」
そして、お義母さんがお義父さんから言われている事は
「わざわざ行くな、何かのついでに行け。」
お義父さんの「わざわざ行くのはダメ。」という考えは、自分だけではなくお義母さんがする事もダメな事なんです。
これが巻き込み型ですよね。
自分のルールなんですが(こだわりですが)、他人を巻き込んでしまう事も多いみたいです。
「わざわざ土産だけを持ちに来い。」お義父さんはそう捉えていたのでしょうか?
とりあえず、『お義母さんの仕事帰りに寄って欲しい。』という言葉はお義父さんには届きませんでした。というか、話を一切聞いてくれなかった。
お義父さんの持論だけを、こちらは聞くだけの状態。
相槌だけでお義父さんの話を聞いていたネスケも、「土産なんていらん!」という言葉を何度も聞いていましたが、最後には我慢の限界とばかりに怒っていました。
お義父さんは、ネスケが「もう十分分かったから!」という言葉を聞き満足そうに電話を切りました。
強いこだわりとは?
ASDの特性の中で良く目にする『強いこだわり』というのは、固執性というものらしいです。
このこだわりですが、『自分の中だけのこだわり』です。
周りの人からすると「そんなのどうでもいいのに。」と思えるような、どうでもいいような事にこだわったりもします。
・物へのこだわり
(小さい頃から使っているタオルなど)
・食べ物のこだわり
(同じ物ばかり食べている)
・やり方のこだわり
(手順のこだわり)
・考え方のこだわり
(行動など)
などなどありますが…。
このこだわりは、一般的に言われている「こだわり」とは、ちょっと違うようです。
例えば、『ゴルフクラブにはこだわる』とか『調味料にこだわる』といった「こだわり」ではない。
「限定された反復的な様式」というものらしく「同じことをやり続ける」という事に安心感を得る事ができるらしいです。
そして、いつもと違う事が起きると…。
・パニックになる
・とにかく不安になる
・強い不安から怒り
(ただ怒る時も多い)
ネスケを見ていると、パニックを起こすことが多いです。
そして不安からの怒りも多い。
変化に対して弱く、いつもと同じという事に安心する。
ネスケも新しい事をすることや、初めての場所(新しい環境)という事へは人一倍不安を感じます。
不安という事から抵抗感も強く、情緒不安定になったりします。
あとは、パニックを起こします。
環境が変わったり、いつもと違う事だったり、予定変更などがあると『どうしていいか分からない』となり、パニックになることがあるようです。
人から見ると『些細な事』と思う事でもパニックを起こすことがある。
イマジネーションの障害という事もあって、現状を保持しようとするという事だそうです。
自分のやり方という強いこだわりは、『こうやりたい』という気持ちを守り通します。
これが、自分だけで守るならいいのですが周りの人にも『こだわり』を押し付けてしまう事があります。巻き込み型です…。
『掃除をする時には、こうやらないとダメ。』
『ご飯はこうするべき。』
『でかけるならこうしないとダメ。』
『この道を通らなければダメ。』
などなど…。
自分で決めた『こだわり』を相手にもさせたい。
私としても自分のやり方がある事がありますが、ネスケのやり方にこだわってしまうと時間がかかってしまったり、私からすると余計な手間をかけないとならない事があります。
しかし、そこに固執している時に拒否するとネスケがパニックからの癇癪のような怒りを起こす時もあります。
固執性というならば、1つの事にこだわることがあります。
この1つの事というのは、他に替えがきくものだけど自分が気になった物がない時に、見つかるまで探してしまったりします。
「他の使えばいいじゃない。」と私が言っても
「あれがいいんだ!」と、いつまでも探しています。
そして、見つからない事に対して怒る。
気力・体力の無駄遣いです。
他にも、私が発言した中の1つの言葉に固執してしまう事も多い。
これは、ループ喧嘩になる事が多いです。
1つの言葉に固執してしまうと、話が先に進まないのですがこれもどうにもなりません。
『こだわり』が出ている時は?
【ネスケ側】
『こだわり(固執性)』からの切り替えが必要なのですが、これはなかなか難しい事だと思います。切り替えが難しいというのが特性なのです。
対処法としては、やはり『経験』らしいです。
過去の経験からの「失敗」などから学び、経験を蓄積して、記憶して臨機応変に対応する。
本人からすると難しいかもしれませんが、記録を書き留めるという意味で日記なども良いようですよ。
日々の出来事を日記として書き留めてみる。
臨機応変が苦手と言う特性ですが、自分の想定内で動いているという事。
想定していない事が起こるとパニックを起こしますが、想定するパターンを増やすという事が対処法の1つ。
状況が変わると応用できないという事も、記憶のファイルを増やすことで対処できるようです。
嫌な事フォルダーはとてもたくさんあるネスケなので、成功したフォルダーも増えればいいと思っています。
成功した記憶を増やすことでパターンも増えるし、自己肯定感も上がります。
ネスケが考えなどを書き溜める事が、日記の役割をしているようなのですが、自分が上手くいった事も書いているので少しずつ自己肯定感も上がってきました。
【ネスケ子側】
自分のやり方にこだわるネスケと接していると、協調性がないと感じてしまいます。
他にも『融通が利かない』とも思います。
これは、私が思うだけではなく、ネスケと接している人が感じる事だと思います。
そして、自分のやり方を私にも「同じようにやって欲しい」という時は、『押し付けられている』という風に思ったり、『私にばかり要求する』などと感じてしまいます。
私からすると『私がして欲しい事はしてくれないのに、自分のして欲しい事は言ってくる。』という思いしか残らないわけですから、これには不満しか出てきません。
ただサポートする側への対処法として
・こだわりを否定しない
・予定などに対しては、その通りには進まないかもしれないという事を予め伝える。
・どうしても無理な事は、ちゃんと伝えておく
などなど…。
私はネスケのやり方を一応は受け入れます。
ただ、私の場合は『私はこっちの方がやりやすい』とか『私はこっちの方が早いと思うけど』などは伝えます。「こっちの方が良い!」とは言いません。
一応伝える感じです。
ネスケの立てた予定などに対しては、「この通りに行かない事もあるんだからね?」という事を伝えます。
これは、旅行などの時にもネスケが予定通りに進まずにプチパニックを起こすことがある為に、予定を立てた時に『時間が足りなくなった時の為に、優先させたい事を決めておこうよ。』と、言うようにしています。
ネスケと行動する時には、衝動性などから時間が足りなくなることが多いので、ネスケ自身も経験から予定通りに行かないという事は分かってくれるようになりました。
そして、ネスケのこだわりを優先させますが、どうしても私が無理な事は日頃伝えていますし、優先させる前にも一言添えています。
「やるけど、この部分は私のやり方をさせてほしい。」
「やるけど、〇〇時までしかできないよ?」
などなど…。
私が出来る事と、出来ない事をちゃんと伝えます。
伝えないと後でお互いに困る事になる事が多いです。
『予定通りにはいかない』という事や『私にはできない事がある』という想定をネスケにしてもらう事が理由です。
これは日常的に伝えています。
状況・背景を見る事が苦手なので、その都度「できない」という想定をネスケにしてもらうように伝えるようにしています。
状況が違う事には臨機応変に出来ませんが、見方を変えるという事をネスケにしてもらうために伝える事は続けていく。
ネスケに対して不満が多かった頃は、この『伝える』という事をすること自体が不満に感じていましたが、後々私が楽という事を私も感じる事ができたので、伝える事に対して不満もなくなりました。
ネスケの為に伝えるというより、私自身の為に伝えるようにしているという感じ。
私がいつも思うのは、ASDの特性は『悲しい』『寂しい』という感情の困り事を私は感じています。
ADHDの特性は、『片付けが出来ない』『失くし物が多い』などの生活面での困り事を感じます。
精神的に辛いと感じるネスケの特性は、やはりASDの特性の方が強いように思う。
『なんで分かってくれないんだろう…。』という想いをずっとしてきました。
発達障害の事を良く知らなかった頃は、とにかくネスケに対しての不満がとても多かった。
こだわりに対して言うなら「こんな事どうでもいいじゃないっ!」と、イラッ!としていました。
発達障害の特性を調べていくうちに、ネスケ自身どうにもならない事が多いという事と、工夫や伝え方で分かってくれるという所もあるという事もあり、気持ち的にも楽にはなりました。
ただ、状況などによっては私もネスケの要望を受け入れられない時も多いし、その状況をネスケが分かってくれないという事があるので、今でも変わらず日々イラッ!としています(笑)
ですが、その『イラッ!』も前とは少し違う『イラッ!』になりました(笑)
これから先どうなるかは分かりませんが、今のところは何とかやっています。