外見では分からない(気づかない)「障害」ですが、当事者と会話の中で、違和感を感じる人は多いかと思います。
私も、ネスケと会話をしていて「?」と、なることが多いです。
コミュニケーション能力の障害というのは、どんな所なのか?
会話の中でどんな感じなのか?
ネスケとの会話で見てみたいと思います。
言われたことを独自に変換して受け取る
ネスケは、私が伝えたことなどを、形を変えて受け取ることがあります。
私はこれを「ネスケ特殊変換機能」と、茶化して言っています。(ごめんさない)
ある日の会話です。
この会話から喧嘩へと発展するのですが…。
私としては、本当に普通の雑談です。
節約の為に、一週間分の食材を購入し、小分けにして冷凍しています。
ただ、やはり面倒くさいわけです。
そして、「子供はいいよなー」なんて、ネスケに言っていた私です。
ですが、この私の発言をネスケがどう受け取ったかというと
この時も、「子どもはいいよな」が、ネスケの中で連想ゲームのようになり
「実家に帰りたい」と、全く違うものになりました。
このように、会話をしていても、私が伝えたい事とは違う受け取り方をしてしまい
「やり取りが上手くいかない」という事があります。
そしてこの、ネスケが変換して受け取ったことにより、喧嘩になることも少なくないのです。
この事が原因で喧嘩になった場合、ネスケが怒っている言葉が「そうではない」と、私が伝えたとしても、もう聞いてはくれません。
なので、ネスケと私が落ち着いた時に、私が伝えたかった事を改めて伝えるという事しか、今はできません。
変換して受け取った時点で、伝える方法を模索しております。
この変換されて受け取るというのは、ネスケが受けた心理検査の結果を見ても、それは分かります。
これは、ネスケの受けた心理検査結果報告書の一部分です。
他にも、『認知のゆがみ』からネガティブに捉えてしまうという所もあります。
言葉通りに受け取る
この言葉通りに受け取るという事がどういう事か?
一番わかりやすいのが
「冗談が通じない」という事です。
冗談って結構きついものもありますよね?
言葉通りに受け取ってしまうネスケにとって
「冗談」は、つらいようです。
「くだらない」という風に思うものから
「傷ついた」というような気持になる時もあります。
そんなネスケが、会社で一番苦手な事は
『雑談』です。
その中の『冗談』が、とても苦痛なようです。
会社の先輩が言った、この何気ない言葉も(先輩が言った冗談)、ネスケに取っては、考えてしまうものになります。
「俺って嫌われてるのかな」などなど。
冗談だと思わずに、言葉通りに受け取ってしますので
「傷ついてしまったり」
「怒ってしまう」という事があります。
あと私が、喧嘩の時などに感情的になって「もう大嫌い」とか、言ってしまう時があるんですが、ネスケにとっては「本当に大嫌い」と、受け取られてしまいます。
「感情的になっているから言ってしまったんだな。」
とは、後になって少しは思ってくれる事もありますが、何年経っても「俺の事を嫌いなんだろ。」と冗談なのか(薄っすら本気)分かりませんが言われます。
嫌な思いをしたことが強く残ることも合わさり、この喧嘩の時に感情的になって言ってしまった言葉は、ずっとネスケの中に残り、ネチネチ言われることになります。
喧嘩の時に「大嫌い」と言ったのに、喧嘩をしていない時に「好き」なんて言うと
ネスケからすると
「嫌いって言ったり、好きって言ったりわけわかんない」と、なります。
真剣にそう思っているのか、ただネチネチ言っているだけなのかは定かではありませんが
「あの時も言った」、「この時も言った」と、後々まで言われることになってしまいます。
これには、状況に応じてという事が分かりにくい事もありますが。
言葉どおりに受け取ってしまうという事を、なるべく頭に入れて話をするように心掛けています。(元々私は冗談が好きなので、冗談は言いたい。)
けれど、ネスケには
「冗談とか何でいうの?本当にいらない」なんて言われてしまいます。
ネスケは、冗談交じりの雑談、意味のない雑談、これは苦痛と言っても過言ではないようです。
言葉通りに受け取ってしまう事で、友達や会社の人にからかわれてしまう事が多く、ネスケからすると「なんでいつもからかわれるんだろう?」と、そのからかわれる事も辛いようです。
たぶん、ネスケが言葉通り受けとった様子を面白がられているのでは?
ネスケからすると辛いですよね。
自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手
ASD(自閉症スペクトラム)の方は
自分の気持ちを、言葉で表現するのが苦手と言われていますが。
ネスケの場合はどうでしょう?
会話の中で、気持ちを言葉にするのは確かに苦手だと思います。
私の発言を、受け取り、頭の中でまとめて、自分の思っていることを伝えるという事が、苦手なようです。
ASD(自閉症スペクトラム)を、調べてみてもこのような事が苦手と載っています。
受け取る情報量が多いほど、会話はスムーズにはいかなくなります。
「どうせ俺が言ってもわかってもらえない」という想いも強いようです。
自分が伝えたことが上手く伝わらない、考えがわかってもらえない。
これは、ネスケが今まで過ごしてきて、「伝わらない」という経験が多く、その嫌な思いをした事が強く残っている。
そんな想いから、発言することが少なくなっていた時もあります。
見当違いの事を言った時に、指摘される。
これが、多かったのだと思います。
考えすぎてしまい言葉が出てこないという事もありますし、その他に、ネスケの場合は
その気持ちを表現するのに、適切な言葉が見つからないという理由もあります。
伝えたい事に適切ではない言葉を使う時もあります。
(間違って使っている)
結構間違って言葉を覚えています。
(これは、発達障害は関係ないかもしれませんが…)
興味のない話は関心がもてない
これも会話をする中で、私が困っている事です。
私が話したい話に、ネスケが興味がないと、話を聞いていないなら、まだいいですが
「全く違う話題」をしてくるんです。
こちらとすれば、「おいっ!聞いてくれ!それは関係ないだろ!」と、かなりイラッとします。
ネスケが、こうなると私は
『あ~この話に興味がないのか…。』とは、思いますが。
私の話が重要な場合は、とても困ります。
知っておいてもらわなければ困る時などは、本当に、本当に、困ります。
私なら、ネスケの特性を知っているので、まだいいですが
これが、特性を知らない他の人が相手だと思うと、心配しかありません。
この他の話をしてしまうのには、ASDの方の「興味のない分野に関心をもちにくい」という特性からの物なのですが、本人、周りの人にとっては困りごとだと思います。
興味のない話には関心は持てないけれど、自分の興味のある話をし始めると止まらないという所もあるので、ネスケとの会話はやはりスムーズとは言えないと思います。
ネスケが発達障害という事を、知らない人だと
『人の話は聞かないで、自分の話ばかり』
と、自分勝手と捉えらてしまうと思います。
まとめ
この他にも
『話が回りくどい』
『思った事を口に出してしまう』
など、今回はASDの特徴から来るコミュニケーションの障害を書いています。
ですが、ネスケの場合はADHDの特性もあるので、そちらの特性からも会話がスムーズにいかないという事もあるのです。
発達障害(ASD+ADHD)である、ネスケとのコミュニケーションは難しいところもあると感じています。
ですが、これらの困難さにも、対策や工夫をする事ができるので、最近のネスケとのコミュニケーションは以前と比べるとかなりスムーズになってきていると思います。
過集中や、何かをしている時などは、私が話しかけても答えてはくれませんが、時間を決めて過集中、作業などをしているので、私との会話をする時間も増えました。
会話中、違う話をし始めても、ネスケ自身が気づき「ごめん、これだけ話をさせて」と、言ってくれるようになったので、ネスケが話し終わった後、ちゃんと話を聞いてくるという事も増えた。
やはり、本人が自分の特性を考え、受け入れ、前向きに捉えられるようになった事が大きいと感じております。
これからも、少しずつ二人の会話が増えて、二人なりのコミュニケーションの取り方を考えていけたらと思っています。