※令和3年5月30日編集
私の旦那(以下ネスケ)は、30歳の時に発達障害(ASD+ADHD)と診断されていますが、診断される前からネスケが言っていたことがあります。
「俺は子供はいらない」
なぜネスケが、そう思っていたのかというと。
自分に似た子供が生まれたら子供が可哀想だから…。
ネスケは、物心ついてから
(小さい頃の事は覚えていないそうですが)
生きづらさを感じながら生活してきたそうです。
そんな思いを自分の子供がするのは可哀想だから、「子供はいらない」という考えになった。
ならば、発達障害は遺伝するのかと調べてみました。
結論から言うと、発達障害の原因というのは解明されていないというのが現状。
ですが、今の時点で「遺伝が大きい」とも言われています。
遺伝の他にも「環境要因」もあるとも…。
発達障害は遺伝なの?
色々調べてみましたが、結論から言うと『まだ解明されていません』という事です。
自閉症スペクトラム(ASD)の原因を調べてみると。
今現在分かっている事は、『遺伝子要因』と『環境要因』が原因と言われているという事。
遺伝子でも、どの遺伝子が関係しているのかという事は、まだ解明されていないようなのですが、遺伝は大きく関係しているというのは分かっているみたいです。
環境要因とは何があるのかというと。
環境要因も、色々なものがあり、こちらもハッキリと分かっているものではないようです。
1つ言える事は、育て方など(しつけとか)が原因ではないというのは、ハッキリと言われています。
どの遺伝子が関係しているかが分かっていないので、遺伝の確率などもハッキリとは分かっていません。
ただ、学術記事などを検索して読んでいると米国などの調査などで、兄弟間、双子などの確率がでているものもありました。
一卵性の双子でも100%ではないため、遺伝子要因だけではなく、その他の原因があると言われているということです。
※ここからは、令和3年5月に加筆させていただきました。
遺伝子が大きく関係しているとは言われていますが、それに環境要因が複雑に絡み合い発達障害を起こすと言われているようです。
アメリカでの研究などが載っている本を読んだのですが、その本には一卵性双生児を対象とした研究結果もありました。
それによると、ほぼ100%遺伝的背景を共有している一卵性双生児で、異なる特徴があれば、それは環境要因の影響を反映している可能性が高い、同じ特徴は遺伝要因を反映している可能性が高いとありました。
さらに、ASDのリスクを非遺伝的環境要因とされる両親の高齢化と、ASDに特徴的な脳形態特徴の関係を検討した結果もありましたが、ASD者の脳をMRスキャナーなどの検査結果にASD者の右腹側後部帯状皮脂が薄いほど、出生時の父親の年齢が高いという相関関係を認めたとありました。
右腹側後部帯状皮脂の厚さは出生時の母親の年齢とは相関せず、統計解説で母親の年齢の影響を取り除いても、厚さと出生時の父親の年齢の相関関係は変わらなかったとありました。
(本には研究結果が詳細に書かれています。)
※こちらの本です。
この本には、他にもASD・ADHDに関しての
”臨床の基礎知識”
”支援の基礎知識”
”ASD・ADHD研究の拡がり”
それぞれ詳しい事などが載っています。
去年初めてこの記事を書くために、発達障害の遺伝について調べていました。
その時にも、『父親の年齢』というものがありましたが、この本に載っている様な研究結果をその時には見る事がなく「そういう風に言う人もいるのかな。」くらいの気持ちで書いていました。
先日この本『多職種連携を支える「発達障害」理解 ASD・ADHDの今を知る旅』を読んでみて、色々な研究結果や脳の様子などを目にして、言われるにはやはり理由があると改めて思いました。
研究結果や統計などは出ていますが、『関与している可能性が高い』という事は変わってはいないようです。
しかし、数年のうちには原因が解明されるのかな。とも思います。
必ずしも遺伝するというわけではない?
色々な記事などを読んでいると、親が発達障害だからと言って必ずしも遺伝するわけではないようです。
遺伝する可能性はある。とは言えます。
ですが可能性は高いとも言えます。
両親のどちらかが発達障害(ASD)の場合、そうではない両親に比べて高い。
調査研究が進む中でも、まだ可能性がある。
確率は高い。というくらいのものなのです。
そして、ASDとADHDは別の遺伝子変異…。
もう、この辺りで私の頭はパンクです。
発達障害の中で、ASDとADHDの共通の遺伝子変異があるけれど大部分は違う物という…。
ASD,ADHDのどちらも遺伝子要因の解明はされておらず、見解も分かれているようです。
まあ、結論は『まだ解明されていない』になるわけです。
※ここからは加筆となります。
関連遺伝子の研究などは進んでいるようですが、これが原因というのは未だ分かっていないという感じですが。
それも、数年ではっきりするのかもしれません。
ただ、ASDの治療薬開発が進んでいるようなので(確か臨床試験は始まっていたような)、この辺りはとても気になっています。
遺伝したとして。(私が思う事は)
以前に書いた記事があります。
早くから発達障害という事が分かっていたら…。
自分の特性を知っていれば。
サポートする側も「教えたらわかること、教えても分からない事」が早くから分かれば、これは全く違う人生になると思います。
各特性により、苦手な物、得意な物などがあると思います。
ネスケが通っていたサポートセンターの方によると「昔は、苦手な所の工夫を考えたが、今では良いところを伸ばすという考え方に変わってきている」と言う。
日本では乳幼児の頃から健診がありますよね、その時に分かる事もあるようです。
ただ、自治体によって健診内容も違うので一概には言えません。
3歳児健診や、保育園、幼稚園などで発達障害に気づくという事も多いようです。
遺伝したとしても、早い段階で分かる事によって特性がわかります。
特性を完全になくすことはできませんが、苦手な事の対策、支援方法、特性との付き合い方。
さまざまな対策などを早い段階からできます。
ネスケの場合は、同学年の人達にできて自分にできない事や、周りとの違和感など生き辛さを感じていたことが、検査を受けるという事に繋がったわけですが。
もっと早くから分かっていたら無理をする事もなく、もっとうまく生きてこれたと思うと言っています。
ネスケは30歳の頃に診断されましたが、それでも発達障害という事を知ってから工夫などしたりして苦手な事も少しずつやるようになりました。
苦手な事に対しての、苦手意識はかなり強く、拒絶することも多かったのですが。
無理な物は無理なんだと受け入れることによって、少し気持ちも楽になったと(本人談)
ただ、大人になってから診断されて受け入れるまでの時間は、長く辛い思いだったと思います。
小さい頃から分かっていたなら、その精神的なものもまた違う物になっていたと思います。
ネスケが「小さい頃に分かっていたら、違う人生になったのかもしれない」と、言った時があります。
ネスケの幼少期には「発達障害」という言葉すら認知されておらず、「変わった子」、「個性的」など言われてきたようです。
実際、ネスケ母も「変わっているとは思ったけど、それがネスケの個性だと思っていた」と言っています。
ここからは、令和3年5月加筆となります。
去年の10月頃に、ネスケの両親とネスケが通院する病院へ行きました。
それは、ネスケ両親に心理士さんから「発達障害」についての説明、ネスケが生きづらさを感じている特性についての説明をしてもらうためでした。
その時に、心理士さんが両親がいない時に話してくれたことは
ネスケ父は、ネスケと同じ特性があるという事でした。
検査をしたわけではないので断言する事はできません。
ですが、遺伝というのは実際あると思います。
他にも環境要因が関係するとは思いますが、遺伝する確率は高いのでは?と、感じています。
ただ『気づく』か『気づかない』という事は、身近な方、もちろん本人にとっても大きな事だと思っています。
ネスケは、生きづらさを感じながら生活してきて検査をしました。
検査をしてから受け入れるまでの間は、色々な葛藤がありました。
『気づいたことによって、私とネスケの生活は大きく変わった。』
検査をしても変わらない人もいるようです。
ネスケも検査を受けてから、少しずつ変わるようになったのも4年近く経ってからの事です。
自分の事を客観的に見る事ができないという部分から、自分が周りの人に対しての言動に気づくことができないということ。
これは、共に生活するうえで身近な人にとってストレスが大きいことになると、私は実感しています。
『気づくこと』は、必要だと思いますが『気づかせる事』は、とても難しく、さらなるトラブルへと発展してしまう事にもなるので、方法などを考えなくてはならないと思います。
お子さんがいる方でしたら、お子さんにも発達障害の特徴がみられることもあるかもしれません。
その場合、両親の支援が必要だと思います。
家族でのカウンセリング等が必要な場合もあります。
拒絶することなく、少しでもストレスなく過ごせる日々の為に、一緒に考える事はとても大切な事だと私は思います。