※この記事は、2022/05/15に更新されました。
発達障害(ASD+ADHD)と
診断されているネスケです
妻のネスケ子です
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ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つネスケは、『言葉通りに受け取る』と『具体的に伝えないと伝わらない』ことが多くあります。
その特性から、会話でのコミュニケーションの困りごとが出てきます。
わたしは冗談が好きだけど
ネスケが真剣に怒るから
家では言えないよ。
言ってしまった時は
ネスケが怒ると思って
ビクビクする…。
冗談なのか本気なのか
分からないよ!
なんで冗談なんて言うんだよ
くだらない
そんなネスケとの会話の中で、わたしが気づいたことが1つがあります。
それは「意味を求める」ということです。
冗談というのは、とくに意味がないことが多いですよね。
雑談というのも、とくに意味がない話題が多いと思います。
そしてネスケは言います。
意味のない話なんてする必要ある?
冗談って何の意味があるの?
意味のない会話の必要性を感じないネスケは、冗談が通じずに嫌な思いをしたという記憶も強く残っています。
そんなネスケが職場で嫌な事の1つ『雑談』です。
苦痛とさえ思うようです。
どうしてネスケが『雑談』や『冗談』などに対して苦痛を感じるのか?
それは、コミュニケーションの障害が原因です。
『冗談が通じない』というのも、『コミュニケーションの障害』に当てはまります。
ASD(自閉スペクトラム症)の方は、脳の一部の機能が上手く働かないという原因から『情報の入力と処理が上手くいかない』
とくに、『話し言葉の理解』『状況の意味』『人の気持ちなど目には見えないものを想像する』という事に困難が見られます。
それではそれぞれを詳しく書いていきます。
「コミュニケーションの障害」の『困りごと』とその原因となる特性
ネスケとの会話を振り返ると、いくつか『困りごと』があります。
(困りごとの頻度は多いけれど毎回ではない)
会話のニュアンスがわからずに、冗談やお世辞などが通じなかったりする。
発達障害の原因はまだ完全には解明はされていませんが、調査、研究は進んでいます。
ASD、ADHDについての脳画像研究で報告の多い脳部位が、わたしが読んだ本には載っていました。(参考図書:多職種連携を支える「発達障害」理解:ASD・ADHDの今を知る旅)
主に、「社会脳」とも呼ばれている『扁桃体、眼窩前頭野、側頭葉など』の働きが弱いことがわかっているけれど、その原因はまだ解明されていません。
社会生活を送るうえでかかせない、人の気持ちや状況を読むという脳の一部の機能に特性があることから「困りごと」が多く起こります。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性から、情報の入力と処理をするときの障害があるとも考えられている。
この特性が、会話での困りごとに繋がります。
話し言葉の理解、とくに『表情やしぐさ』などのメタメッセージ(言葉以外のメッセージ)を読み取ることができない。
言葉以外のメッセージを受け取れないことが、『言葉通り受け取る』という状況になります。
- 脳の一部の機能が上手く働かない
(「社会脳」と呼ばれている部位) - 話し言葉を捉えることが苦手
(情報の入力・処理が上手くできない) - メタメッセージが読み取れない
(言葉以外のメッセージ)
会話での困りごと、苦手なこと
旦那ネスケとの会話での困りごとは、日常的に起こります。
わたしは冗談を言うことが多いのですが、冗談が通じないネスケは真剣に怒る。
なので家では極力言わないように気をつけてはいます。
けれど、会社などでは気をつけてくれる人などいません。
ネスケが落ち込んで仕事から帰宅する時があるのですが、理由を聞いてみると『職場の人との雑談などでの冗談を真に受けて落ち込んでいた。』ということが多かったです。
わたしの発言に対しても『冗談なのか、本気なのか分からない』と、悩んでいる時がある。
状況、前後の会話(状況、背景)、相手の話している雰囲気などで「冗談」と分かるところがASD傾向のある方には読み取ることができません。
ネスケの場合として、いくつか『言葉通り受け取る』様子を書いていきます。
冗談が通じない
相手の言っている冗談を、そのまま受け止めてしまうことが多くあります。
そんな時は、冗談に対して怒ったり、ショックを受けたりしてしまう。
職場でも友人との会話でも、冗談は飛び交っています。
いじったり、いじられたりと、人間関係を円滑にするために『冗談(ユーモア)』を使うことは日常生活の中で多いのではないでしょうか?
暗黙の了解として、わざわざ「冗談だよ。」ということも少ない。
けれど、冗談が通じない(通じにくい)人はいます。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ方は、とくに冗談が通じないと言われています。
明らかに冗談と分かることでも、言葉通りにとらえる。
言葉通り受け取ってしまうネスケが、落ち込んで会社から帰宅する事も多いです。
「冗談だよ(笑)」という言葉は、落ち込んだネスケには届きません。
落ち込む以外にもあります。
職場での話や友達と会った時の話を、ネスケから聞く度に『からかわれやすい』と感じます。
『冗談に対してムキになる』様子を、「面白い」とからかう人がいる。
ネスケからすると、ストレスでしかありません。
最初にも書きましたが、私は冗談が好きです。
ですが、ネスケには冗談が通じないということは身をもって分かっています。
時々(時々は嘘かもしれない)、冗談をネスケに対して言ってしまうこともありますが、怒らせてしまうことの方が多いです。
(落ち込ませてしまうときもあります)
わたしは、素直に謝れるようになりました。
以前は、冗談に対して怒るネスケに対して私も怒っていましたが、冗談が通じない人に冗談を言うのは『冗談ではなくなる』
不快にさせてしまったら謝るし、ユーモアがないと責めることもありません。
(あ、でもネスケが怒り過ぎると「冗談だよっ!」と怒ってしまう時はある。)
なかには冗談に対して不快になることを責める人や、ユーモアがないと責める方もいますよね?
わたしもそうだったし、今でもネスケに冗談が通じなくて怒らせてしまい、そこから喧嘩になって愚痴や文句をネスケに言ってしまう時はあります。
多くの人は、状況や相手のしぐさや表情などで『冗談』と分かる。
けれど、ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ方は、メタメッセージを読み取ることが苦手。
『冗談』を冗談として捉えることができず、言葉通りに受け取ってしまいます。
内容によっては、激しく怒ることも、落ち込むことも多い。
わたしが言う冗談は可愛いものが多いと思っているけれど、冗談が通じないネスケにとっては『冗談に軽いも重いもない』
- 冗談を真に受けてしまうことからストレスが半端ない
(言葉通り受け取るので冗談がストレスになる) - 状況やしぐさや表情などを読み取ることが苦手
(冗談と分からないことが多い)
お世辞や嫌味、社交辞令が通じない
言葉通り受け取ることから、お世辞や嫌味、社交辞令が通じないということもあります。
『言葉のニュアンスを読み取る』ということが苦手なことから、この困りごとが起きるようです。
- お世辞を真に受ける
明らかにお世辞でも「とても褒められた!」と真に受ける。
自分が作った物などに対して「素敵ですね~今度作ってくださいよ~w」など、ニュアンスでお世辞と分かる言葉をそのまま受け取り「いいですよ!いつまでに作ります?」と返す。 - 嫌味が通じない
例えば、奥さんが家事で忙しそうにしている時に、旦那がゲームをしている。
その時に奥さんが「ゲーム面白そうですねっ!」などと、嫌味(嫌味というよりこれは皮肉ですね)を言っても「面白いよっ!」と言葉のまま受け取る。
そして、奥さんの怒りは倍増する。 - 社交辞令がわからない
偶然会った知り合いに別れ際「またね!今度ごはんでも行こうね。」という言葉に「じゃあ、いつにする?」など社交辞令、あいさつのような言葉もそのまま受け取る。
お世辞を真に受けて喜んでいる姿は「幸せそうだ。」と、ほっこりしている私です。(笑)
けれど、嫌味というのはイラッとしている時に言うので、嫌味をそのまま受け取った返しに対して、さらにイラッとしてしまいます。
最近では言った後に「これは嫌味だからね?」と伝えています。
社交辞令に対しても、帰宅したネスケが「いつ行けるかな…。」と悩む姿をよく見ます。
悩んでいるネスケに話を聞いたわたしは「それは社交辞令だよ。挨拶のようなものだよ。」と言うことも少なくありません。
家庭内では、わたしが気をつけることができます。
ですが、わたしがいない時はどうなっているのかは分かりません。
- 嫌味や皮肉を使わず、ストレートに思っていることを伝える。
わたしのストレートの発言がきっかけで喧嘩になることもあります。
伝えないと分かってもらえないことが多いので、ストレートに伝える様にしています。 - お世辞や社交辞令を真に受けていると気づいたら伝える。
お世辞に関しては、よほどのこと以外は伝えていません。
(本人が喜んでいるから。)
社交辞令に関しては、「近くに来たら寄ってくださいね。」という言葉に対して、本当に行こうとしている時などは伝えています。社交辞令に対して悩んでいる時など。
- 言葉のニュアンスを読み取るのが苦手
- 言葉通り受け取るので嫌味や皮肉なども言葉通り返す。
このことがきっかけとなり喧嘩に発展することも
あいまいな表現は伝わらない
言葉通り受け取るけれど、あいまいな表現は伝わらない。
「あれ」「これ」「それ」などの指示代名詞や、「適当に」などの具体的ではない言葉は伝わりません。
「あれ」って何だよ!
「適当に」ってどのくらいか分からない。
ちゃんとハッキリ言ってくれないと分からないよ!
ネスケと過ごすようになって、今までのわたしは『相手が察してくれる』ことを前提に話をしていたと気づくことが多かったです。
例えば、こんなこともあります。
夕飯にチャーハンを作っている時、ネスケに「お皿を取って~」と言う。
そうすると、ネスケは小皿を持ってきたんです。
こんな時は、だいたいの方は『炒飯を食べる大き目のお皿』と思ったり、『いつも炒飯を食べているお皿』と分かると思います。
小皿で炒飯を食べるの?
あ!食欲ない?
どのお皿を取るのか言ってくれないと、わからないよっ!
文句を言うんだったら自分で取れよっ!
1~10まで伝えないと伝わらない。
わたしが1~10まで伝えないことから、喧嘩になることも多いんです。
多くの方は、話の流れや状況などで『察する』ことができる。
なので、1~10まで伝えなくても理解することができます。
ですが、ネスケの場合はこの漫画のように「あとでやっておいて」など、一言添えないと喧嘩になってしまいます。
悪いけど一言添えてほしい
一言添える理由と添えた方が良い場合
一言添えるのは、ネスケの発言(意見など)に対してわたしが意見を言う場合もです。
- 「今から言うことはネスケに対しての『否定』ではないからね?』
ネスケの発言に対して「でも、○○なんじゃない?」など、一言添えずに否定ではなく意見を言うと…。
わたしの『意見』を『否定』と捉えてしまうネスケ。
ネスケが『否定』されたと受け取るのは、ネスケの発言に対してではなく『自分を否定された』と思ってしまうようなんです。
ネスケが『自分を否定された』と感じた場合
『攻撃されたと思う』
自分への攻撃に対して、盾ではなく剣を持って向かってきます。
ネスケは自分を守るために攻撃するのです。
あくまでもネスケの場合なんですが、攻撃されたと思った瞬間に自分を守るために攻撃してくる。
けれど、受動型タイプが強く出ていると思っていた頃のネスケは、攻撃されたと思ったら黙る。
その頃のネスケは、とにかく黙っていました。
わたしは意見を言ったつもりなので、攻撃されたと思って攻撃してくるネスケともちろん喧嘩になります。
俺の考えに対してネスケ子はいつも文句を言ってくる!
わたしは意見を言っただけ!
なんで怒るの?
責めてなんていないよっ!
現在のわたしは、一言添えることを心がけています。
わたしとネスケの場合ですが、伝え方を少し変えるようになっただけで喧嘩に発展することが減りました。
【まとめ】言葉通り受け取る発達障害の旦那は「冗談が通じない」~原因とわたしの場合の対応~
ASD(自閉スペクトラム症)の基本的な3つの特性の1つ『コミュニケーションの障害』からの困りごとは、本人はもちろんですが身近な方も辛い。
言葉通り受け取ることから『お互いが誤解』をして、喧嘩になったり、傷ついたりと辛い状態になることが多いとわたしは感じています。
わたしとネスケの喧嘩も、ネスケの捉え方がきっかけとなったことが多い。
ASD(自閉スペクトラム症)の方は、話し言葉を捉えることが難しいと
ASD(自閉症スペクトラム)では、話し言葉を捉えるのが苦手。
言語を司る部位で「処理をして、記憶して」などの一連の機能が上手くいかないことから『話し言葉の意味を正確に捉える事が困難』とされています。
その他、言葉以外のメッセージ(メタメッセージ)を読み取る事が出来ないという事もあるようです。
そのために『空気が読めない』などの問題が出てきます。
『相手が話に飽きている』とか『会話を終わらせたい』などの気持ちがメタメッセージとして現れていても、気づかずに話し続けるなど。
言葉通り受けとったことがきっかけで、こんなこともありました。
喧嘩になりましたが、実際はわたしが感情的にネスケに一方的に話をしているけれど、ネスケは一切なにも話さない。
『何か答えてよっ!』というわたしに、何も言わず外に出ていくネスケ。
正直あのLINEを見たら逆にすぐに帰ってくると思っていた。
帰って来ないと思わなかった。
話し言葉を理解することは苦手ですが、文字情報の入力・処理には問題がないと言われています。
会話は理解できないことがあっても、教科書の理解は出来る。
「あの人って、勉強はできるのに会話だと何か変だよね。」なんて事もあるのでは?
言語を司る部位で処理し、一時的に記憶し行動を起こすという一連の機能が上手くいかない為に、言葉の意味を正確に捉える事が困難。
とりあえず『具体的に伝える』ということを心がけています。
あとは、頼みたいことや忘れないで欲しいことなどは口頭では伝えない。
- 具体的に伝える
- 重要な事などはメモ書きして渡す
わたしの場合は、発達障害の特性への対応を知っても行動するまでが難しかった。
行動できなかった理由は、『なんでわたしだけ気をつけないといけないの。』という考えから離れられなかったからです。
わたしから見たネスケは『自分勝手』や『自分優先』が強かった。
そんなネスケへの対応を『どうしてわたしだけ』と思っていたんです。
ネスケの言動は悪意があるものではないということを分かっていても、どうしても受け入れることができない気持ち的な理由から行動が出来なかった。
そんな気持ちがあったわたしは、ネスケの行動に対してではなく『ネスケを責める(否定)』する言動をしていた。
現在でも感情的になって責めてしまう時もあります。
ですが、ネスケの困りごとや発達障害の特性を知っていき、ネスケなりの日々の努力する姿を見続けたことによって、わたしの考えも変わり、対応も変わってきたんだと今は思っています。
ASD(自閉症スペクトラム)では、話し言葉を捉えるのが苦手。
言語を司る部位で「処理をして、記憶して」などの一連の機能が上手くいかないことから『話し言葉の意味を正確に捉える事が困難』とされています。
その他、言葉以外のメッセージ(メタメッセージ)を読み取る事が出来ないという事もあるようです。
そのために『空気が読めない』などの問題が出てきます。
『相手が話に飽きている』とか『会話を終わらせたい』などの気持ちがメタメッセージとして現れていても、気づかずに話し続けるなど。
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