発達障害(ASD+ADHD)と、診断されている旦那ネスケの嫁のネスケ子です。
ADHDの特性の説明を見た時に思いませんか?
これって誰にでもあることだよね?
私も初めてADHDの特性を、目にした時に思った。
『あれ?わたしもADHD?』
確かに誰にでもある事だけれど、その誰にでもある事が『日常生活に支障が出る』ほどなんですよね。
ADHDの特性からの困りごとで悩んで、誰かに相談をすると「そんな事わたしだってあるよ(笑)」なんて言われてしまう。
それは当事者だけではなく、パートナーや身近な人が当事者についての相談をしても同じ事が起きます。
- ADHDの特性は日常生活に支障が出る事が多い
- 困りごとの多くは『不注意』『衝動性』
- 特性からの困り事は理解されにくい
- やる気がないわけではない
- しつけや性格が原因ではない
日常生活に支障が出るほどの困り事でも、周りに理解されにくい事が多い。
周りには理解されず、自己肯定感も下がっていくことになる。
本人はとても辛いのに
『分かってもらえない』
身近な方も
ADHDの特性を持つパートナーに対して辛い思いをしていても
『分かってもらえない』
今回は、ADHDの困りごとに対しての周りの反応、理解、対策(対応)などについて書いていきます。
誰にでもあるけれど 日常生活に支障が出る
上の漫画のような事は、誰にでもある事のように思えます。
けれどこの様子は、我が家では毎日見られる光景です。
何かをやらなければならない時、やり始めた時、ふと目についた事をやり始めてしまう。
そして、誰でも面倒な事などは
「あとでやるか~」となる事は多いかと思いますが、ネスケの場合は酷いです。
ADHDの特性を持つ方は、感情のコントロールが苦手。
『やりたくない』
『面倒だ』
『そんなネガティブな感情にとらわれやすいという事がある。』と、『ADHDの人の「やる気」マネジメント【監修:司馬恵理子】』という本には載っていました。
他にも『不注意』や『衝動性』の特性も絡んできます。
- 違うところに注意が行ってしまい
今やるべきことできない。 - 思いついた事をやり始めてしまい
今やるべきことができない。
このブログのコミックエッセイ編(旦那がADHDの特性が強く出た日の話)にも書きましたが
疲れている時には、いつも以上に強く特性がでてしまう。
ネスケが起きられずに予定変更という事は、珍しい事ではありません。
ネスケの話とは別になりますが、ADHDの特性を持つ方の多くに
「起きられない」という悩みを持つ方がいます。
不摂生が原因の方もいれば、睡眠障害の症状がある方もいる。
2012年にカナダのADHDの専門家の方(Umesh Jain)が、いくつか論文をあげています。
それによると、ADHDの60%~80%の方に何らかの睡眠障害の症状があるようです。
このイラストを見たネスケが、『ちゃんと正確に書いて!』というので、補足としてもう一枚イラストを用意しました。
『そんな日もあるよ!』と慰めたいけれど、ネスケにとってミスが多めという事は日常茶飯事なので、慰めの言葉も出ません。
『前もって準備をすればいいじゃない!』
そう思う方もいるかもしれませんが
『仕事の前日に、準備をしたバッグを忘れないよう玄関に置いて寝て、出勤する時に手ぶらで出かけた』という事もありました。
もしくは、『準備したバッグとは違うバッグを持って行った。』なんていう事もあった。
おっちょこちょいのレベルを超えているんです。
ざざっと思いついた事だけを書いても、これだけの困り事があります。
ですが、本人からすると
『充分に気をつけていても起こってしまう出来事』。
周りから見ると、気をつけているという風には見えない。
私も最初は、ネスケの『やる気の問題』だと思っていた。
他にもADHDの特性からの困り事があります。
パートナー(身近な方)の困り事
本人だけが困る事もあれば、身近な人が巻き込まれる事もある。
多々ある…。
・旅行から帰宅した時に電気が点かない時もあった。
電気代の支払いを督促状が来るまで忘れていたけれど、督促状の郵便すら見ていなかった。
・ネスケと入籍して3年経ちますが、未だに生命保険の受取人はネスケ父。
何となくこれは寂しい。
・忘れものをしたと言っては、届けた事も何回もある。
・毎日何かを探し回っているネスケは、最後には「ない!どこ!?」と私に聞いてくる。
そんなネスケと一緒に生活する私が『ADHDの特性』に、とても困る事はいくつかあります。
『先延ばし』という特性は、私も困る事があります。
けれど『先延ばし』からの困り事のほとんどは、ネスケ本人が困る事が多いので私は放っておきます。
放っておける困りごとに対して私が困る事と言えば、ネスケが困った時などにパニックを起こす事が多いという事。
ネスケの場合、パニックを起こすと『怒り』という形で表れる事が多いので、パニックからの『怒り』に関しては私が困る事になりますね。
私に関わってくる困り事といえば、『片づけられない』、『思いつきで行動』、『すぐ怒る』など。
周りの人からの理解は難しい
今までADHDの特性からの困り事を書いてきましたが、ここで1つ大切な事があります。
ADHDの特性からの困り事は、誰にでもある事ですが日常生活に支障が出るほど。
この困り事は『しつけや性格』が原因ではないという事。
ADHDの特性からの困り事に対して、周りの方からは
『だらしがない』
『しつけが悪い』
『無責任』
こんな風に、ネガティブな印象となってしまいます。
なんで片づけないのっ!
全部使いっぱなし、出しっぱなしっ!
だらしがなさすぎるっ!
ネスケが発達障害と知っている私でも「だらしがない」と、ネスケに対して思っていたんです。
『そうは言っても
気をつければ片づけられる』なんて思っていた。
「やる気の問題だ!」
「しつけが悪い!」
この言葉は、私の知り合いの女性がご主人から言われている言葉です。
この方は診断はされていませんが、テレビなどで発達障害の事を知り、自分が悩んでいる事がADHDの特性とあったので
『検査を受けたい。』と思っていたようです。
検査を受ける事を相談すると、ご主人は「なんでも病気のせいにするな、やらないだけだ。」と言われて検査を受ける事は出来なかった。
日々、このような言葉をかけられると、自己肯定感は下がる一方なのでは?と思います。
職場での困り事と周りからの評価
1回ネスケの職場に行く機会があり、その時にネスケのデスクを見ることができたのですが…。
デスクの上は、とっても散らかっていました。
当然、職場での困り事も多い。
ネスケが仕事から帰宅して、愚痴多めのミスをした話をしてくれるので職場での様子も知る事が出来ています。
今の職場で働くようになって11年ほど経っていますが、ネスケが『発達障害』と診断されたのは4年前です。
診断された事は、今も職場の誰にも伝えずに働いています。
なので、会社での評価も
『発達障害という事を知らない方』からすると、当然のことだと思います。
ただ、発達障害という事を知っていたとしても『理解している』という方は少ないのでは?
障害者雇用で働いていたとしても、配慮は受けられるけれど、『理解』という点では難しいという事を障害者就労支援をしている方から聞いた事があります。
夫婦・両親など家族の理解
発達障害は、大人になって発症するというものではなく。
先天的に脳の一部の機能が上手く働かないというものです。
ADHDの場合、右背外側前頭前野・後部基底核・視床・頭頂葉領域などの活性低下が、不注意症状に関与しているという研究結果もあるようです。(※参考図書:多職種連携を支える「発達障害」理解 ASD・ADHDの今を知る旅 編著:土居裕和 金井智恵子)
私が読んだ本によると、1980年代後半では精神科医ですら大半の方が「アスペルガー症候群」という言葉を聞いた事がなかった時代です。
(※参考図書:自閉症スペクトラム10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体 著者:本田秀夫)
ネスケの幼少期には「発達障害」という言葉を知っている方がいなかった。
幼少期のネスケに対してネスケ母は
「少し変わっていると思ったけれど、それがネスケの個性だと思っていた。」と言っていました。
ADHDの特性の多くは『やる気がない』と誤解されてしまう事が多い。
実際は『やる気はある』けれど、他のところに注意がそれてしまったり、いろいろな事に手をつけて中途半端になってしまったり、先延ばしをしてしまったりとしてしまう。
ですがその様子を傍から見ると
「やる気がない」と見えてしまう。
ここで、我が家の話をします。
ネスケと大喧嘩をした後に、ネスケ両親が来たことがあります。
その時の喧嘩の発端は、『脱ぎっぱなし、出しっぱなし、使いっぱなし』の事に対して私が注意した事です。
ネスケは『仕方がない』と言っていましたが、特性からという事が分かっていても、仕事から帰宅して部屋の荒れ具合を見ると「イラッ!」とする事も『仕方がない』。
そして「片づけられない」という事を、ネスケが両親に説明をしました。
『自分の意識が足りないところもあるけれど、「特性」の部分もあるから仕方がない。
全部に意識して気をつけるというのは、仕事でもして、家でもしてとなると、休まる時がない。』
その説明を聞いた両親は、私に言いました。
『片づけられない』というのは、発達障害ではない。
これは、一般的に多く思われる事かも知れないと感じています。
ADHDの相談をしたり、特性の話をすると多くの人は言います。
「そんなの私だってそうだよ?」
『発達障害』という事を知っていても、発達障害の特性の理解というのは難しい方もいる。
我が家の場合は、ネスケ両親の年齢も関係していると思う。
他にも『親の障害受容』が関係しているのではないかと思っています。
自分の子どもが「発達障害」と診断された事を、受け入れられない部分が大きい事も感じています。
理解は難しいところもあるけれど、理解できないことが悪いというわけでは全くないと私は思います。
けれど、当事者であるネスケからすると悲しい気持ちにはなる。
当事者側、サポート側ができる『対応・対策』
当事者の方は、『生きづらさ』を感じ過ごしてきた方も多い。
ネスケも『生きづらさ』を感じながら学生時代を過ごしてきたそうです。
ですが、その『生きづらさ』の原因が発達障害だと気づく方は少ない。
『二次障害を起こして病院に行き、そこで発達障害だったと分かった。』という事もあるようです。
そして、お子さんが就業前健診や、乳幼児健診などで『発達障害』との疑いがあり、病院に付き添った結果『親にも、発達障害であることが分かる』という事が、私の読んだ本に書いてありました。
幼少期に発達障害という事が分かれば、療育を受けられる。
大人になってから診断された場合は、気持ち的にもとても大変なことだとネスケを見ていて感じています。
以前の私は、ネスケの行動に対してではなく、ネスケに対して怒っていた。
ですが、ネスケからすると
『自分でも気をつけたいと思っているのに、気をつけているのにどうしても出来ない事でネスケ子に言われると、悲しくなるし、自分を責めたくなるし、怒りも出てくる。』
ネスケは自分に対して怒っている時の方が多いですが、その怒りは周りに飛んでいくこともあります。
ネスケがしている工夫・対策
当事者であるネスケは診断されて3年が経った頃から、自分なりに工夫をするようになりました。
ネスケなりに工夫をしていますが、忘れ物に関しては『玄関に置くのを忘れる』、『持っていくのを忘れる事もある』という事が今でもあります。
忘れる時の多くは、疲れが溜まっている時や、ストレスが溜まっている時なので、その時には私が声掛けなどをしています。
共有カレンダーアプリは、ネスケに合っているみたいなので私と2人で活用しています。
ネスケに予定ができると、やらなければいけない事から出かける予定まで自分で入力をしています。
通知アラームも、一日前から何回か設定できるので便利です。
私とネスケどちらの予定もお互いのスマホに通知が来るので、お互いが気をつける事ができます。
私がしている工夫・対策
私がしている工夫と言っても、それほどの工夫はしていません。
今まで本などに載っている事などを試しましたが、ネスケには合わなかったというのが現実です。
脱ぎっぱなしなどは諦めています。
やることリストですが、わたしに関係していることや、わたしがネスケに頼みたいことを書いています。
ネスケだけが、困ることに関しては放置です。(笑)
このイラストの様に、『いつまでに』やるかということを優先順に書き出し、その端にはチェックする項目をつけています。
実際のメモを一応画像を撮りました。
※字が下手くそなのはきにしないでください。
右のメモは、ネスケがチェックを入れています。
下の方に書いてあることは、出来なくても次の週に回せることを書いている。
このメモは、ネスケに合っていた。
ネスケにやって欲しいことなどを、今までは口頭で伝えて喧嘩になっていました。
この方法により、私のストレスは軽減しました。
誰にでもある事だけれど日常生活に支障が出るほど~ADHDの特性~まとめ
ADHDの特性は、誰にでもあるように見えるけれど『日常生活に支障が出るほど』頻繁にあるし、生きづらさにつながる。
- やる気がないわけではない
- 本人は本当に困っている
(中には困っていない方もいる) - ADHDの特性は日常生活に支障が出る事が多い
- 困りごとの多くは『不注意』『衝動性』
- 特性からの困り事は理解されにくい
- しつけや性格が原因ではない
ネスケの『ADHDの特性からの困りごと』に対して私が怒る事も多いんですが、私はネスケの人格を否定するような言い方をしないように気をつけています。
ネスケがダメなのではなくて、その行動により私がどのように困るかを伝える様にしています。
本人も困っている、努力しているという、ネスケの想いを聞いたり、見る事が出来たので私のネスケへの対応も変わってこれたのだと思います。
ADHDの対策本のようなものは、何冊かありますよね。
私も何冊か購入しました。
私には参考になるけれど、ネスケには参考にならないという事も多くありました。
専門家の人の本を見ても
『それすらできないから困っているんだよ』
って思っちゃう
ネスケが参考になったという本もあります。
その本に載っていた事を今でも続けられています。
全部がネスケに合っている方法ではないけれど、その中にネスケに合う対策法がいくつかあった。
やっぱり発達障害と言っても、人それぞれ。
合う合わないはあるものです。
「発達ハック」のイベント時に採用されたというハックと、当事者のみなさんに『どんな工夫をして生きやすく過ごしているか?』というwebと紙によるアンケートを実施して出来上がった『当事者の生の声が詰まった本』
ネスケもこの本に載っていた『コルクボードでのタスク管理』を今でもしています。
当事者の方向けの本だと思いますが、ネスケではなく私には参考になりました。
イラストも多く分かりやすく、大人の発達障害だけではなく多くの方に対応しているのでは?と思います。
ネスケにアドバイスする時などの参考になった。
ページの端に当事者の方がしているアイデア・工夫なども載っています。